ニュースリリース

2018/03/03

「基本の原価管理術」(4の術)原価と経費


 
さて、話を本題の「原価」に戻しましょうか。
 
一般に、経費は人件費とか家賃のような固定費、原価は売上を上げるための仕入れや製造費用のような変動費と言われています。
つまり、固定費“売上に関係なく”企業を維持するために固定的にかかる費用原価“売上に比例して”増減する変動費という意味です。
「そんな分かり切った話を」と思った方、「分かっちゃった症候群」に落ちかけていますよ~!
 
それはともかく、自社や自分の管理の実体を、今一度見直してみてはいかがでしょうか。

実際には「原価とすべき経費」や「経費とすべき原価」が発生しているのに的確に管理できていないのではありませんか。
「そんなこと、どっちでもいいじゃないか」と思われるかもしれませんね。
たしかに、原価であろうが経費であろうが、利益を食っていく「損金」に変わりありません。
「そんな間違いは発生件数も金額も少ないし、管理を行う手間を考えると、かえって損だ」という反論も出るかと思います。
 
そうした意見を否定はしませんが、会社を維持するための経費と工事利益を守るための原価とが明確に区別されていなくて良いのでしょうか。
「2の術」で例えに使った戦争の場合でいうと、「本営防衛」と「前線防衛」”ごっちゃ”にした防衛体制で良いということになります。

それが「強力な防衛体制」とは、とても言えないと思うのです。
城壁で囲まれた本営の防衛は、まず城壁を厚く、さらに隙間を残さず埋め、最大の弱点である城門の防備に守備兵の多くを割くといった守り方になります。
一方、野戦である前線の防衛は、戦局に応じて弱点箇所が変化するため機動力を持った防衛体制が必要となります。
 
このように両者の防衛方法は全く異なります。
同じように、企業の“利益を守る”2つの防衛方法も全く異なるものです。
単に「手間がかかる」という理由で管理の質を粗くするのであれば、利益を恒常的に上げる「筋肉質」の会社になるのは難しいです。その分だけ、経営の質が粗くなることは確実だからです。
 
今より一歩踏み込んだ原価管理を行うことで、利益を上げる能力は必ず向上するはずです。
ということで、もう少し基礎的な話にお付き合いください。

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